自作『枠連ターゲット』を中心に、馬券を斜めから読む方に情報を提供します!

第7章

第7章 万馬券

 

前回4日間で利益を出せなかったと言う理由で

無料でまた買い目を配信してくれることになった。


う~ん。プロの意地ってやつ?


先週は自分のほうが福島記念で大儲けできたし、払ったお金も2,000円だった

ので、元を取ってやろうと言う気もそれほど起こらなかった。

ただ、レース数が多い為、全てに目を行き届かせることが中々出来なかった。


多くの馬券ファンは恐らく私と同じ考えではないか。


有料のサービスを申し込んでも、その通りに買うのは最初だけ。

最初にドド~ンと当たらないと次からは結局参考にこそすれ、

自分の考え方、経験を頼りに買ってしまう。


結果、買い目配信通りに買っていれば高配当を的中!

やられた~

次回その通りに買うと今度はまたハズレ・・・。

その繰り返しで、結局は負け負けスパイラル一直線。


今回も一瞬そんな事が脳裏をかすめたが、自分で予想配信を

している都合もあって、金、土の夜は全精力をそちらに注いでいた。

S氏のことはすごく気になってはいたのだが、ファンファーレが鳴ると

次第にその存在を忘れてしまったのである。


結局12月5日の週は前の週のいい流れを完全にぶち壊したかのごとく

終わってみれば、大負けだった。

途中何レースかは的中していたのだが。


(あ~、この年末の大事なときにこんなに負けちゃ駄目だなぁ~)


昔から言われている師走競馬と正月の餅つき競馬は大荒れ必至と

言う結果にはそれほどなっていなかった週末だった。


元来の万馬券好きの私には不向きの週だった。


そして、土日の疲れが残る中、日曜の夜、メールチェックをしていたら

S氏からのメールが飛び込んできた。



最初の2日間計

54,600円が55,580円になりました。

プラス980円でした。


次の4日間計(大脱走では2場開催につき2日間カウント)

83,200円が139,140円になりました。プラス55,940円でした。


全部トータルで

137,800円が194,720円になりました。

回収率141.3%でした。

かつ4日以内に利益を出すことも2回続けて達成しました。

インチキではありません。

確かになりました。


僕以外の誰かが認めてくれたらいいんです。

たった一人でもいいんです。

レース前にちゃんとメールした竹岡さんが証人です。(笑)

本やったら竹岡さんに帯び書いてもらわなあかんとこです。(笑)


ちなみに配信はこれで終わりです。

来週以降は金額の収支だけ仮に報告してもたぶん竹岡さんは

信じてくれると思います。


必勝法あったでしょ?!





え~~~~~~~~~~~~!?

おいおい。いつそんな利益が出るほど儲かったんだ?

ってか、最初の2日間でも利益でたんだっけ?


迂闊だった。完全に見落としていたのか、注意深く見ていなかった事が

見透かされているようだった。

そうでなければ、あの買い方でこれほど利益が出ると言うことは

間違いなく高配当を的中していると言うことだ。


送ってもらった買い目を一つ一つ調べてみる。


12月5日

その日貰っていた結果報告を見た。

安い単勝が3鞍的中で、22,000円購入で18,100円の払戻し。


う~ん、土曜日じゃなかったのか。


12月6日


今日のレース?

どれどれ・・・


必勝馬券

トム:すべて単勝 購入基準1200円
中山
7R 15⇒× 

阪神
5R 9⇒×

7R 10⇒◯ おぉ~!でも360円・・・


これじゃない。


10R 5⇒×

11R 1⇒◯ おぉ~~!?でも310円

なんだ、ジャパンカップダートのエスポワールシチーか

これ、ワシも当たってたレースだ。


ディック:すべて単勝 購入基準1000円
阪神
3R 6⇒×

8R 7⇒×

9R 2⇒◯ おぉ~~~~!?

 880円×1,000円=8,800円

う~ん、中々やるなぁ・・・。

10R 1,6,10⇒×

11R 2,11,16⇒×

ディックも違う。

元々ここの的中率は低いって言っていたしなぁ・・・


ってことは・・・



ハリー:すべて単勝 購入基準200円

中山
9R 7⇒◯ 6,520円

おぉ~~~~~!来たきた!

やるなぁ。6,520円×200円=13,040円

8頭立ての7人気を予想するとは本命ばかりじゃないんだな。

でもここでも13,040円の払戻しってことは、まだあると言うことか。


12R 9,10⇒×


そして、次だった。

(と言うことは阪神で大万馬券???)



阪神
4R 14⇒◯

配当は・・・・


えっ?

間違いじゃないよな・・・


33,850円

単勝14番 ヤマニンスシャール 

18頭立て17人気で33,850円。


本当なのか・・・

S氏のことは信用していたが、予めレース前に配信されていた

メールを見直してみた。


阪神4R 14番 ハリー200円だ。


ってことは・・・

33,850円×200円=67,700円也


浅見厩舎、ヤマニンの配列の良さから私自身も有料会員様向けの

配列表には◎をつけた馬で、複勝4,430円を翌日自慢しようと

思っていたところだったが・・・。

単勝万馬券。

それも、3万馬券。


もうその後の結果を検証しなくても良かった。


ヒェ~~

一体何なんだこの人は。


300円某の単勝しか的中しないと思ったら、8頭立ての7人気

や、3万円以上つく単勝超万馬券を的中したり・・・。


穴しか狙わないのならまだわかる。

と言っても、単勝を的中させることは至難の業なはずだ。



恐れ入りました。


この馬は過去4走して7.13.8.12着。

人気も12.9.10.5人気だった。


すぐにPCを離れて換気扇の下までタバコを吸いに行った。

我が家では唯一、煙を出せる場所である。


(一体、あの人はなんなんだ・・・)


そればかりが、頭の中をグルグルと駆け巡っていた。


単勝馬券は性に合わないが、この際そんな事を言っている

場合ではない。

この人は間違いなくホンモノだ。


予告的中といい、この万馬券といい、ひょっとしたら情報を
何かつかんでいるのかも知れないとさえ思った。


次の日、携帯がけたたましく鳴った。

自宅では当然音が出るようにしている。

着うたは、ジャーメインジャクソンのYou saidだ。

時々マナーモードを解除するのを忘れて気づかない時があるが・・・。


「もしもし。Sやねんけど・・・」

(あ、かかってきた)


「いやぁ、昨日はすごかったですね。阪神4レース」

「あの馬、あんなに人気が無いんは、おかしいもん」


(まぁ、当たったから言えるセリフではあるが・・・)


「私には全くもってわかりませんがね。あの馬を単勝で狙うなんて」

「大体10番が1人気になるってことが先ずおかしい。あの馬は

そんなに強くないで~。それなのに、1人気やて。こら、その時点で

もらったと思いましたワ」


「私も自分の配列表で◎はつけてたんですよ」

「ホンマですか?普通、人気馬ならともかく、人気薄の馬で予想がかぶる
といい事あらへんのになぁ・・・」


確かにその通りだ。

私も、愛読誌の日刊ゲンダイの橘氏と本命がかぶったときには、よく頭を

かかえて、ダメだこりゃ!といかりや長介風に言っているものである。


「でも、約束通り利益出ましたでしょ?」

「いやぁ、本当にお見事と言うしかないですね」


「そんなん言っても、竹岡さんは信じてくれなかったでしょうけど、

間違いなく結果を出しました。これ、たまたまやありません。

1年間何回やっても大体同じ結果になります」


そうだった。

初めて電話をもらったときに去年のエリザベス女王杯の

クィーンスプマンテの単勝と馬連を的中したと言っていたのを

思い出した。


高配当を当てるときもあるんだ。



「もうこれで終わりですから。後は報告するとしたら結果だけ。

竹岡さんは僕の実力をわかってくれたと思いますから、

結果だけ送っても信用してくれはりますでしょう?」


確かにそうだった。


何しろその思いを決定づけたのは勿論万馬券もあるが、あの予告的中なのだ。

普通、次のレース当たりまっせと言って当たる人はそうそういないのである。


「これで予想配信は終わりにしますから」


さて、困った。

何とかこの人とお友達の関係でいたい。


「そこを何とかなりませんかねぇ・・・」

「いやぁ、もうあきまへん。かぁちゃんからきつく言われてんねん。
あんたもうやめときなはれってね」


う~ん。これは困った。

でも、ここは一旦諦めることにした。


この人のそもそもの目的は、誰かに自分の凄さを知ってもらいたかった

のだった。


そのうち、必ずまた自慢したいときが来るに違いない。

そう思った。


「では、仕方が無いけど、一旦諦めることにします。でも、結果だけは

毎週送って下さいね。見てみたいですから。信用していないわけでは

無いのですが、どの馬を買っているのかだけでも知りたいです。

それでいいですか?」


「いいですよ」


やった!何とか、関係はつながりそうである。

キャバクラのねぇちゃんとの連絡はすぐに途絶えるのにこのおっさんとは

途絶えそうにない予感がしていた。



そして、次の週から結果を毎週送ってきた。


マイナスの日が続いたこともあったが、必ず帳尻を合わせるかのように

次の週では勝つのである。


(本当に不思議な人だ・・・)


そして、このプロ馬券師S氏に非常に興味を持った私は、メールのやり取りの

中で、何とか力を借りようと、直接会えないかと聞いてみることにした。


「ええですよ」


意外にもあっさりとOKしてくれた。


そして、メールや電話で知りあってから3ヶ月後の1月中旬、私は大阪まで

S氏に会いに行くことになった。



「おかえりなさいませ、ご主人様~~」


つづく